All posts in 連載「脚立の上にも三年」

第5話 昭和の終わりは脚立の上から ~下町と高級住宅街の変遷を追体験~
2011年11月10日

地獄の東宮での張り番生活は、最初の一月ほどは長雨で泣かされた。脚立の上に座り、傘を差しながらの待機が続く。首には無線機、ショートズームを付けた一眼レフカメラ。このカメラには「ミニカム」と呼ばれる巨大ストロボが付いている。 …

第4話 昭和の終わりは脚立の上から〜「天国の半蔵、地獄の東宮」〜
2011年11月10日

新聞社で連日、脚立の上で過ごした記憶の中で最も印象に残る出来事は何かと質問されれば、昭和天皇の様態悪化から死去まで続く百十一日間の「張り番」生活と間違いなく答える。 張り番は昭和六三年九月一九日、昭和天皇が吐血し、入院し …

第3話 東京拘置所前のカラス婆さん
2011年11月8日

泣く子も黙る、と恐れられる東京地検特捜部。特捜部が動けばカメラマンも大量動員がかかる。「動く」とは、容疑者が逮捕されて、ガサ入れ(強制捜査)に乗り出すことだ。ところがいつ、どこで逮捕されるかまでは、夜討ち朝駆けで取材に苦 …

第2話 裁判所の場所取り合戦
2011年11月8日

入社したての頃(一九八六年)、東京地裁・高裁で撮影場所を確保するために変わったルールがあった。新聞、テレビのカメラマンは重要な裁判が行われる時に、検察、弁護人、場合によっては被告が、裁判所に入廷する場面を入り口で待ち構え …

第1話 目白御殿前の巨大脚立
2011年11月7日

目白御殿といっても今の若い人にはピンと来ないかもしれない。ロッキード事件の汚職で、歴代首相として初めて東京地検特捜部に逮捕された故・田中角栄の自宅のことである。田中真紀子議員の父親でもある。 入社したての昭和六二年正月。 …

プロローグ
2011年1月1日

「石の上にも3年」ということわざがあるように、ある一時期、新聞カメラマンの中で「脚立の上にも3年」という言葉がもてはやされた。新聞カメラマンは取材に行くとき条件反射的に三段の脚立を持って行く。事件現場では欠かせないアイテ …