ダイオキシン問題

テレビ朝日のダイオキシン報道問題は先日、局側が所沢の農家への謝罪と1000万円の和解金を支払うという形で決着がついた。
私は当初から、農家の対応に釈然としない気持ちを抱き続けていた。
なぜ、農家はダイオキシンを撒き散らしている焼却工場やそれを是認している所沢市に対して「安全性」が担保されていないと怒りを向けないのか不思議でならなかった。テレ朝の報道も、高濃度のダイオキシンが検出されたのはお茶の葉からであり、ほうれん草ではなかったという訂正がつく取材のお粗末さもあった。「風評被害」を受けた農家はさぞかし大変だったと思うが、怒りの矛先にはどうも納得ができない。

安全な野菜を口に運ぶことを考えれば、多少はあったにしても野菜からはダイオキシンが検出されているではないか。農家はもっと食の安全のことを考えれば、その周りの環境に対してシビアになるべきではないのかと思う。ベトナム戦争の枯葉剤まではいかないが、この地でダイオキシンが地中深く浸透していることの方が私にとっては重要な問題だ。農家はお茶とほうれん草の違いを云々するよりも、ダイオキシンが降り注いでいる事実に目をむければ、自分たちがいかに安全でない食を提供していたかわかるはずだ。
どこか軸がずれている。議論がうまくすりかえられてしまった印象を受けるのは私だけだろうか。消費者はダイオキシンまみれの野菜を買いたくない、安全な野菜を買いたいというごく当たり前の行動をとっただけである。

農家はテレビ報道がなければ、ダイオキシンを撒き散らす地域での農作業を続けていただろうし、私たち消費者もその事実に気がつかないまま、この地で作られた野菜を口にし続けていたのかもしれない。

私も一時、マスコミという職場に身を置いていた。だからといって同業者をかばう気はさらさらないが、テレビ朝日には毅然とした態度でダイオキシン問題に臨んでもらいたかった。