夏の高校野球選手権大会

夏の高校野球選手権大会、南北海道地区予選の写真を撮っている。明日はいよいよ決勝だ。
今回、撮影していて自分の気持ちの変り具合があった。それは負けて泣いている選手を見た時だった。これまでは、ただ、泣いているだけ、と見過ごしていたのだが、今回、ふと、「自分の高校時代に泣けるほど、打ち込んでいたものはあっただろうか」と考えてしまった。何もない。なぜか、球児たちが愛らしく、うらやましく感じてしまったのだ。
野球の話のついでに、ここで少し砕けた話を。
メンバー交代があり、矢田という名前の選手が告げられた時のことだ。
非常に聞こえつらかったので、隣のNスポーツのカメラマンは「え?わだ?」というので「やだ、だよ。矢田。弓矢の矢に、田んぼの田」と教えると、「ああ、矢田亜希子の矢田ね」というではないか。小生、「え、だれ、それ」と答えると、「えー。知らないんですか。まいったな。今、旬の女優ですよ」とあきれた顔をされた。ジェネレーションギャップというか、今の若いのにはついていけないなあと思いながら、元同僚と朝日新聞に入社した当時の話を始めた。
入社して間もなく、岡田由希子が飛び降り自殺をして、時事通信社からフラッシュニュースのチッカーが流れてきた。当時のデスクらは誰も彼女を知らず、「岡田でなく、岡崎由紀の間違いじゃないか」とそっけない。時間もたち、夜の帳がおり始めた時、バイト連中が騒ぎ出し、やっと事件だと気がつき、記者、カメラマンが現場に向かったことがあった。小生は、それを見て、「新聞社って結構、世間しらずだな」と思った。
その話をすると元同僚のKは「いや、野口さんね。昔、ポケモンのテレビを見ていて、子どもたちが癲癇に似た症状でばたばた倒れたことがあったじゃないですか」と話し始めた。
「いやね、当時のデスクがあわてて、ポケット・モンキーが、街で暴れていて、子どもたちが倒れているらしいぞ、と言われて、現場に向かったことがあったんですよ。ポケット・モンキー?そんなのいたっけなあ、と思いながら向かったのはよかったんんだけど、ラジオのニュースでポケモンというとるやないですか。まったく、驚きましたよ。どこの世界でポケット・モンキーが暴れるんかと。ポケット・モンスターと言うアニメもしらんとよう、新聞記者が勤まると思いましたよ。まったく、新聞社は世間を知らんですよねえ」

ここまで書いたついでに、もう一つ、思い出したことがあった。
名古屋のボウ部の部長を務めた人だったが、スターバックスが日本に進出してきて間もないころ、「ほんまにオートバックスのコーヒーは美味いのか?何で、自動車部品の小売がコーヒーなんか始めたんや」。この時はさすがに唖然としてしまったが、矢田亜希子を知らないと言ったNスポのカメラマンは、同じような気持ちで私を見ていたことなんだろうな。